食品検査の勘定科目は多岐にわたる

食品検査とは、その食品の賞味期限を設定したり、食品成分表示を行う上で必要な情報を解析してくれるサービスのことを指します。食料品の裏側に書いている栄養素などの詳細な情報は、この食品検査によって知ることが出来ます。

では、一体どのような勘定科目があって、食料品のどんなところまで知ることが出来るのでしょうか。その実際と、どのような場面で調べられているのかを紹介します。

「公的機関が行っている食品検査ってどんなもの?その種類と内容について」

食品の栄養を調べるために行う

食品検査は、測定をしてくれる施設に分析を依頼することから始まります。多くの施設は、それぞれの目的や用途によって検査するべき項目をリストアップしているため、申し込む際に調べて欲しい項目を選択することになります。

一般的な成分の計測は一両日中に、特殊なものが含まれていたとしても一月以内にはその結果が得られます。特に、近年はカロリーを気にする消費者が増えていたり、減塩を推進する世相となっているだけに、正確な食品のデータを表示することで消費者にも安心して買ってもらえる、というメリットがありますので、多くの企業が自社の食品の成分測定を依頼するのです。

一般的な勘定科目は食品の基本的な熱量、タンパク質含量や糖質量、脂質量などのエネルギー表示です。

施設によっては、これらに加えてナトリウムなどの無機物も測定することが出来ます。

単純な量の計測であれば、これらの科目をまとめて調べることが出来るメニューが用意されていることが多く、基本的なことだけ知りたい方にはこのセットがお勧めです。希望があれば、さらに詳しくそれぞれの詳細を調べることが出来ます。

例えば、どんな糖が含まれているのか、油脂はどんなものが使われていてどの程度劣化しているのか、などです。健康志向の方であれば、単に油脂というのではなくオメガ3脂肪酸などの健康に良い油脂を選びたがるはずです。

そういった消費者の関心を集めたい、健康志向の食品であればこういった項目も深く検査するべきではないでしょうか。

食の安全性も調べられる食品検査

食品検査は食品の安全性に関する勘定科目も調べることが出来ます。例えば微生物の検出も行うことが出来、食中毒の原因になる黄色ブドウ球菌や大腸菌、ノロウイルスなどの病原微生物が食品に含まれていないかを検索します。

清潔な環境で食品が作られているかどうかのチェックとしての機能があると同時に、万が一食中毒を出してしまった場合に原因食品や食品の汚染経路を特定する上で非常に有用な検査なのです。微生物の繁殖のしやすさなど、これらの項目を精査して適正な食品の消費期限を決定することになります。

消費者に安全を届けるのも食品検査の役割なのです。他にも、食品中に含まれる有害物質の検出を行うことも出来ます。例として上がるのが、農薬などの生産過程で使用した薬剤や、環境内に微量に存在する水銀などの有害金属です。

また、動物のエサに含まれている添加物が牛乳や食肉にどの程度含まれているのか、などの非常に微量な成分さえ検出できるのです。また食品に含まれる種々のアレルゲンを検索することも出来ます。食品アレルギーによるアナフィラキシーは時に致命的な影響をもたらしかねないため、これらの検査が行われるのです。

特に、小さな子供にも安心して食べて欲しい食品では、これらの測定は欠かせません。また、食品の中にある不良品などの品質も検査することが出来ます。クレームがあって返品されてきた食品について、例えば悪臭や雑味の原因はどんな物質なのか、それがどういった形で混入する可能性があるのか、などの点を調べることになるのです。

製造ラインに問題があるのか、それとも流通経路に問題があったのか、人為的な問題なのかなどを間接的に調査することが出来ます。食品の安全について管理する部署の方であれば、行えることを知っておいたほうがいい勘定科目です。

「大腸菌の検査のための食品検査」

健康食品の有効成分も計測できる

健康食品など、健康を増進する機能がある、とうたっている食品は数多く存在します。その食品に含まれている有効成分が、どの程度の量なのかということも調べられます。血圧を抑える成分、血糖上昇を抑える成分など、様々な有効成分がありますが、これらの成分の実際の含有量を計測することが出来ます。

また、その食品の成分を抽出してマウスに投与することで、人体に与える影響を疑似的に測定してくれるようなサービスを行っている施設もあります。胸を張って、その食品の機能をアピールしたい、健康にいいことの裏付けが欲しい方はオーダーしておきたい検査です。

特定保健用食品などの申請にも必要な項目ですので、取得を目指している場合には検査を受けたほうがいいでしょう。

おいしさを数値で評価することも出来る

食品のおいしさ、とはどのような基準で評価できるのでしょうか。実は、旨味を表現するグルタミン酸などのアミノ酸によって味わいについて評価することが可能なのです。グルタミン酸だけでなく、リノレン酸やコハク酸などの成分を調べることで、数値によって美味しさを評価することが出来ます。

調理品の評価だけでなく、生鮮食品であってもどんな食べ方が最も旨味を感じられるのか、などの評価に用いることが出来ます。農家の方は野菜や果物の品質や味わいを実数で表示できるためオーダーするメリットがあるでしょう。

漁師の方が今年の魚のコンディションを調べるためにも有用なのではないでしょうか。官能検査、と言って、実際に舌で味わって、鼻で匂いを嗅いだ場合の印象についても検査することがあります。特に、賞味期限を設定するために行うことが多く、食品の微生物による影響などで風味が損なわれるまでの時間や程度を評価することが出来ます。

また、舌触りなどの食感を機械で疑似的に評価することも可能であり、滑らかさや硬さなどの項目についても評価することになるのです。これらの勘定科目を数値によって比較できる形で表し、食品の特性を知れるのは食品の開発をしている方にとっては非常に分かりやすく、自社の食品の特徴を表現できる手法のひとつであると言えます。

ペットの食の安全も守れる

流通している食品を食べるのは人間だけではありません。家族の一員であるペットもペットフードなどを食べるので、それらの成分についても検査をすることになります。特に、人間にとっては無害である成分であっても稀にペットに対して毒性を発揮してしまう場合があり、ペットフードの勘定項目にはそういったヒトの食品では調べることのない項目をいくつか追加することが出来ます。

大切な家族の食の安全を守りたい、という飼い主の方であれば申し込んでみるのも良いのではないでしょうか。安心して食べさせられるものを選んであげれば、家族全員が健康に暮らせるはずです。